初恋のキミは最愛ヒーロー
「ウソ。莉彩とだったら、そんな風に思いっきり笑う機会がたくさんありそう」
「任せて!壱夜くんがいっぱい笑顔になれる未来を約束するよ」
自分の胸をポンポンと拳で軽く叩く。
そんな私の姿を見つめる壱夜くんの瞳は、今までで一番優しさを帯びていた。
「この先もずっと俺と一緒に居てくれる?」
「もちろん!ずっと一緒に居たい」
「ありがとう、莉彩」
壱夜くんの胸に抱き寄せられる。
心地いい体温に自然と笑みがこぼれた。
私がピンチの時、正義のヒーローのように駆けつけて助けてくれた男の子。
強くてカッコよくて、とても優しい。
私にとって壱夜くんは、かけがえのない大切な人なんだ。
「大好きだよ」
「俺も。“好き”って言葉じゃ足りないぐらい莉彩が好き」
ドキドキしながら顔を上げると、壱夜くんと視線が重なる。
照れくさそうな表情。
私も、同じような表情をしてるんだろうな…。
口元を緩めて笑うと、壱夜くんも笑みを浮かべた。
これから歩いていく道の先は、きっと温かくて、楽しいことがいっぱいの未来になりそう。
今まで以上に、毎日を大切に過ごしていきたいな…。
私は心を踊らせながら、壱夜くんの胸に顔を埋めた。
*おわり*