初恋のキミは最愛ヒーロー
やっぱり優しい男の子
翌朝。
先に出勤するお母さんを見送った後、食事の後片付けと洗濯を済ませた私は、リビングの遺影のところへ。
お父さんに“行ってきます”と笑顔で告げて、マンションを出た。
昨日“一切…俺に関わるな”と壱夜くんに言われたけど、そんなこと…出来るわけない。
私にとって、壱夜くんは特別な人。
初めて恋した男の子だもん。
嫌がられても、ウザがられても…
何度だって話し掛けたい。
“無愛想なヤツだけど、めげずに声掛けてやって?”
神楽くんも、そう言ってくれてたから。
後ろ向きに構えていたって、何も変わらないし変えられない。
だから、前を向いて私らしく明るく元気に進むんだ…。
壱夜くんと仲良くなれる日が来ると信じて。
頑張ろう、私…。