初恋のキミは最愛ヒーロー
「たっ、助けていただいて、本当にありが……」
「別にアンタを助けたわけじゃない。邪魔だったから、仕方なく」
私の話を遮って、淡々と言葉を放つヨルさん。
確かに、コンビニの出入り口で絡まれていたから、買い物をしに来たヨルさんからすれば、“邪魔”以外のなにものでもないんだろうけど……
それでも、助けてもらったことに変わりない。
きちんと、“ありがとうございました”って伝えたい。
もう一度、口にしようとした時、ヨルさんは冷ややかな視線を私に向けた。
「それにしても…こんな時間に女が一人で、このコンビニに来るなんて、いい度胸してんな。それとも、単なるバカ?」
「えっ…」
こんな時間って、まだ20時前だよ…?
一人でコンビニに来るぐらい、別に普通じゃない?
「アンタ、まさか…知らねぇの?」
「な、何を…ですか?」
おそるおそる訊ねると、ヨルさんは呆れた様子で溜め息をついた。