初恋のキミは最愛ヒーロー
「このコンビニ、夜は不良たちの溜まり場。だから、日が暮れた後に利用するヤツは殆どいない。この辺りの住民なら誰でも知ってるはずだけど?」
そっか…。
周りに、アパートやマンション、戸建て住宅が多いわりには、閑散とした店内だと思ってたんだよね。
そういう事情があったのか…。
「すみません…。私、今日…こちらに引っ越してきたばかりなので、何も知らなくて…」
スマホで近くのコンビニを検索して、ここに来たぐらいだし。
「ふーん、だったら忠告しとく」
ヨルさんは無表情で、少し遠くの方を指差した。
「コンビニだったら、今度から向こうの大通りの交差点にある店を使った方がいいんじゃない?近くに交番もあるから、夜にたむろす不良もいねぇし」
「は、はい…」
そう言えば、私が引っ越してきたマンションの裏手が大通りだったような…
そっちにもコンビニがあったんだ…。