【【贅沢な片思い】】ヤツの所には行かせない!
容赦なく誘われて
「私も顔は知らなかったのよ」
真知子は、そう下手な弁解をした。
「知らないわけないじゃない。披露宴でスピーチした人よ?」
家に帰り着くと、芽衣は真知子へすぐに電話をかけたのだ。
「そうね、でも、いい加減、顔で判断するのはどうかと思うのよね。芽衣も適齢期過ぎてるし」
ため息をつく芽衣。
やはり真知子は、梨田がイケメンだと知ってて紹介してきたのだ。
「それで、梨田さんとは上手く行きそう?」
「は? 行く訳ないわよ。あんな性格が悪くて軽い男」
「でもさ、友達くらいにはなれないの?」
「真知子、私あんな男と友達になるなら死んだ方がマシよ。自分勝手で自信家で、馴れ馴れしいし、それに…」
芽衣は、梨田の顔を思い出していた。
「ちょっと、おかしいよ。あの人」
「そおなの?じゃもう会わないの?なんだか勿体無い。普通、あんなイケメンとそうそう出会えないわよ?」
真知子は、イケメン好きだから軽くそんなことを言うんだ。
本当のイケメンは、カッコイイ自分が大好きなナルシストで自分本意で生きていることを知らないのだ。更にいうと、自分勝手でうざい生き物なのに。
「出会いたくなかった。イケメンなんか…やっぱり大嫌い」