【【贅沢な片思い】】ヤツの所には行かせない!
「ばかみたい。逆ですよ。あなたに会ってもどうにもならないから会わないんですよ。これ以上会っても仕方ないでしょ」
「仕方ないかどうかは、会ってから決めないか?」
「何よ、それ」
「俺さ〜今夜は眠れそうにないんだよなぁ」
「は?私には関係ないわ」
「関係あるよ」
「どうして」
「さっき、ある可愛らしい女性に会ったら、なんかドキドキして、いつまでも変なんだ。ドキドキがおさまらない」
訳のわからない男だ。
男がドキドキするとか口に出して平気な感じで言うなんて信じられない。すごく恥ずかしい男だ。
こんなんだから、イケメンモテ男なんか大嫌い。
「知らないわ。そんなこと」
「冷たいこと言うなよ。芽衣、おまえのせいだよ」
恋愛のテクニックでも出そうとしているのだろう。甘い声をうまく使いこなしているつもりのようだ。
「……」
「なんで黙ってんだよ」
「あまりにもバカみたい。そんな軽いセリフ良く思いつくわね」
「思ったことを口にだしてるだけだけどな」
「そう。頭の中も軽いのね」