【【贅沢な片思い】】ヤツの所には行かせない!
最後のガルルルの意味がわからないが、何故か、またドキドキしてしまう。

自分がこんなに軽はずみな女だとは知らなかった。あまりにも危険すぎる。

モテ男なんかに負けちゃだめだ。
この人たちは、女なら誰でもいいのだから。
全ての女を落とすことだけに楽しみを見出し、あとは味のないガムみたいに吐いて捨てるだけだ。

あんなモテ男に騙されちゃダメ。



手を振り払い「調子に乗らないで」と芽衣は先に映画館を出た。

「怒った?」
追いかけてくる梨田。

「そうね」
止まらずに振り返らずに芽衣は答える。


「そっか。ごめんね芽衣。でも、芽衣のこと触りたくてさ」

また、出た。
女を口説くためのセリフだ。

この男もそうだ。

一晩寝る相手が欲しいだけだ。その先のことなんか少しも考えてない。

その日が楽しければいい人種なのだ。


芽衣は梨田を振り返る。

「それで…私になんて答えさせたいの?」

「私も…とか?」

「馬鹿馬鹿しい」

「そう?俺は真剣だよ。そーだ、芽衣。美味いもんでも食べようか?」

多少、断られても全くめげないのがモテ男の特徴だ。
彼らは、産まれながらに沢山の女を口説くことに慣れている。どんな女も必ず落とせる自信があるから、こんなに堂々としていられるのだ。
< 41 / 112 >

この作品をシェア

pagetop