【【贅沢な片思い】】ヤツの所には行かせない!
「……」
「 近くに美味いレストランと、俺の家があるけど、どっちにする?オススメは断然、俺の家」
「は?!」
さらっと凄いことをぶち込んできた感がある。
聞き間違いであってほしい。
「ワインもシャンパンもあるし、酔ったら介抱しやすいし、お泊まりも芽衣ならありだよ」
うんざりしてしまう。
軽く誘えばノリで来るとでも思っているのだろうか。
「…近くのレストランで」
芽衣は動揺を隠して冷静に答えた。
「あのね、パスタならすぐ。タイのカルパッチョとか、これはもう、すぐに出せるよ。俺の家なら。化粧室もバスルームも使い放題。もちろんベッドルームも」
「あの、あなたね…」
聞く耳がないのか、梨田は言葉を続ける。
「あと、大変便利な執事つき。考える間が惜しくない? もう一本映画見られるよ。あと、イケメン執事がマッサージとかヘッドスパもやってくれると思うよ」
イケメン執事?
自分のことを言ってるのだろうか。
冗談なんか沢山だ。
「梨田さん!」
「ん? なに?やっぱり 俺の家がいい?」
にこやかな表情をしている梨田に、芽衣は唇を噛んだ。
からかわれている。
完全に馬鹿にされている。