【【贅沢な片思い】】ヤツの所には行かせない!
きっと、はなから私が家に来ると返事をするなんて事は思っていないに違いない。
それでも、数打ちゃ当たるの精神からモテ男は撃ちまくっているのだ。間違えて当たるかもしれないから。
モテるのだから、他で撃てばすぐに当たるのに何故か自分になびかない女にモテ男は執着する。
彼らは、簡単に落とせない女でも落とせると証明したいのだ。何故なら、女は全て自分のことが好きなはずと思い込んでいるから。
モテ男の思い通りには、いかせない。
芽衣は梨田に微笑んでみせた。
「いいわ。あなたの家で」
梨田の隣へ行き梨田の腕に腕を絡めた。
目を丸くしている梨田。
モテ男は、なかなかなびかない女に執着する。なびかないと思っていた女が簡単になびいたら、モテ男は、恐らく初めはゲンナリして口説く意欲を失うはずだ。
「あれ? いいの、芽衣」
「何が?」
「俺の家でもいいの?」
「あなたが言ってきたのに、今更何なの?」
「いや……」
モテ男は、意外な展開に困っている。
少しは困ればいい。
「何か問題があるなら、レストランでもいいけど」