【【贅沢な片思い】】ヤツの所には行かせない!
「そうだな、今日の所は食材もないから俺の店ってことにしとこうか」

ほら、もう尻込みしだした。最初から遊ぶだけの女を自分の家に呼ぶ気なんか無いのだ。からかってみただけ。
軽くなびかれると、きっと面白くないんだわ。

「えぇ、それでもいいわ」
芽衣は、余裕の笑みを梨田に向けた。
これで、恐らく男の私に対する興味は失せたはず。


「ごめんな芽衣。ようやく俺の所へ来る気になったっていうのに。てっきりレストランって芽衣はいうだろーって予想してたから」
梨田は芽衣の頭をポンポンしてから歩きだした。

「食材は、店に用意してあるから。さあて、芽衣は苦手な食べ物ある?」

馴れ馴れしい上に、なんか偉そうなのよ。こんな図々しい男は、痛い目に合わせた方がいい。

「…苦手なのは、タイのカルパッチョ。それにパスタ。チーズにワイン、シャンパン…それから」
モテ男の思い通りには、絶対にならない。
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