【【贅沢な片思い】】ヤツの所には行かせない!
海底のひかり
朝まで一緒にいる気は初めから無かった。
そんな軽い女になる気はないから。
ベッドに横になっている梨田の綺麗な寝顔。
静かな寝息。タオルケットからはみ出した梨田の長い脚。
はだけたシャツからは、割と筋肉質な胸板が見えている。
キングサイズのベッドだ。
こんなベッドがモテ男には、よく似合う。
梨田のような外見に恵まれた男は、いつも1人でなんか寝たりしないに違いない。とっかえひっかえ違う女をベッドに連れ込み、自分のしたいことをして、女とはすぐに別れる。
昨日は、本気だった。明日のことは、俺にもわからない。そんなセリフを吐いて自分から先に部屋を出ていくのだ。
梨田の顔もそんなしたたかな男の顔と同じにしか見えない。
芽衣は自分の着ているシワになった服を眺めた。ブラウスを引っ張り、ヨレを直す。
先の無い恋愛はしない。したくない。
遊んでる暇なんかないのだ。
遊びの恋ならしない方がずっとまし。
芽衣は、窓の近くへ行きカーテンを静かに開けて街の夜景を眺めた。