【【贅沢な片思い】】ヤツの所には行かせない!
「ちょっと、飲み過ぎたみたいだ。横になっていい?」
ベッドにゴロンと横になる梨田。
「芽衣も横になれば?少し休みなよ」
手招きする梨田。
出た。
そんな見え透いた手には引っかからない。
「結構です」
バカみたい。手口がわかりやすすぎる。
「そっか〜まあ、普通そうだよな」
梨田は、うつ伏せになり枕に顔を埋めた。
子供みたいに足をバタバタさせて、少ししてから梨田は顔を上げベッドにむっくり起き上がった。
どこからかスマホを出してきた梨田は、ベッドの端に来て芽衣に満面の笑みを浮かべて写真を見せてきた。
ヨーロッパあたりのモダンな建物にありそうな、いくつかのガラスの階段が写っている写真だ。
「恵比寿の〜レストランを改装してさぁ、レストランウェディングが出来るようにしたいんだよね〜。それには〜今より入り口を広くして、こんな感じに広い階段を真ん中にする、ん、する。階段は絶対にガラス。そこから〜花嫁と花婿が登場して」
梨田は、突然レストランの話をし始め
「タタタターン、タタタターンタタタンタタタタンって音楽流して〜」
指揮者の真似事をし始めた。
相当酔っ払っているようだ。