【【贅沢な片思い】】ヤツの所には行かせない!

全てが自分の思い通りになると思っている男の顔だ。

そして、おそらくこの男は、今まで本当に自分が思う通りに周りを動かしてきたのだ。自信満々な表情が、言葉が、態度が、それを現している。

「…それで、どのような物件をお探し何でしょうか」

「両親が住む家を探してるんだ。場所は」

本当に探してるんだろうか。
店の話ではなく、両親の家を探しているという梨田の話に耳を傾けノートパソコンに必要な項目を入力していく。

ある程度、必要な項目を入力し終えた時に
「今度休みいつ?」と梨田が聞いてきた。

ハウスメーカーという仕事がら、毎週土日休みという訳にはいかない。

今週は、水曜日と木曜日が休みだ。
「休みくらい教えてくれよ。担当の芽衣が休みだと物件探しが前に進まないだろ?」

確かに梨田のいうことは、理にかなっている。

「水曜日ですが」

「そう、ならその日でいいか。次のデート」

「え?何言ってるの?」

唐突に素っ頓狂なことをいい出す梨田に芽衣は面食らってしまう。
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