【【贅沢な片思い】】ヤツの所には行かせない!
斉藤課長は、実直な上司で世あたりベタなところに好感がもてる上司だった。
今度来る課長は、どんな人だろう。
嫌味な上司じゃないといいけど。
「人事移動のファックスが来てたから、昼頃には貼り出されてるはずよ。あなた、せいぜい新しい課長には目をつけられないように気をつけなさい」
冷たい口調で言われた。
目をつけられるとか、中学生みたいだ。
人間だから好き嫌いもあり、それで上司が部下に厳しくなることもある。それは、ある程度仕方ないことだ。
でも、出来れば、このチーフの下で働きたくなかった。どうにもならないことだけど、嫌になってしまう。
徐々に大きくなる胸のわだかまりを抱えて、芽衣はため息をついた。