【【贅沢な片思い】】ヤツの所には行かせない!
「どーぞ。沢山妄想してみて。俺のユニフォーム姿。めちゃくちゃモテたから。他校からも応援が来てさ」

「そう。試合とか出れたの?」

「出たよ。エースストライカーだね」

「サッカー部」
ちゃっかり答え言ってるし。
なんて、おしゃべりな男。

「いやぁ、さすが! 芽衣の新しい彼氏は元サッカー部のイケメンエースストライカーだよ。どお?」

「あなたは私の彼氏じゃないし」

「そうだっけ? あれっ。でもさ、なるよ、すぐ。こうしてデートもしてるし」
ウィンカーの音が規則正しくなっている。

何故かわからないが、心臓の音が大きくなってきていた。

「デートしたからって彼氏にはならないわ」

信号がなかなか青にならない。
梨田が困ったような表情を芽衣に向けた。
「じゃ他に何したらなるんだよ。もう、 手は繋いだし、キスもほっぺにしたよな。あ〜でも、アレか…やっぱりキスは口にするべきだよな、そうすれば俺、芽衣の彼氏になれる?」

ばかみたい。
キスしたら彼氏?冗談じゃない。
あり得ない話だ。

「ならない」

「あーそうか。キスしても体の関係出来てもセフレもあるしな。そっか、やっても彼氏にはなれないのか」
ふんふんと頷く梨田。



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