【【贅沢な片思い】】ヤツの所には行かせない!
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寝室の扉をノックしたが、返事がない。
寝ているのだろうか。
「失礼しまーす」小声で言ってから扉を開けた。
畳の部屋の真ん中に布団を敷いてマスク姿の梨田が寝ていた。
本当に和室に布団なんだぁ。
ハーフ顔の梨田には似合わないようにも感じるが、それぞれの好みの問題だ。
起こすのは、よそうか。
そう思っていた時、
「ゲッホゲッホ」と咳をして梨田が喉を押さえながら体を起こした。
枕の近くに置いていた清涼飲料水を手に取り梨田はマスクを外すと喉を鳴らしてそれを飲んだ。
「はぁ…」
ため息をついた梨田は、芽衣の存在に気がつき笑顔をみせる。
「芽衣、おかゆ?」
「そう、食べられそう?」
「うん、吐いても食べる。いや、絶対に吐かないけどね」
布団の上に座った梨田の所へ行き、おかゆの器を渡した。
「サンキュー芽衣。本当にもういいよ。帰ってくれて」
スプーンでおかゆを少しまぜる梨田。
スプーンでおかゆをすくい、ふうふうと息を吐く。
「追い出してるの?」
「まさか、うつると悪いから」
「…それは気にしないで。食べ終わるまでいるわ」
おかゆをひと口食べてから、「うまい。いくらでも食べられそう」といい、梨田は、またおかゆをすくう。
「芽衣って意外と頑固なんだな」
「頑固だなんてひどい。もっと他にいい方ないの?」
「じゃあ……」
梨田は、おかゆの器をお盆の上に置いた。
すぐ近くにいた芽衣の腕を引っ張り梨田は間近で芽衣の顔を見つめた。