花岡4姉妹の恋愛日記
「え〜、オレの名前は赤井秀輝、出身中学は向陵ですっ。


えー、好きな古文作品はー…源氏物語?」


「冒頭部分、言ってみ?」


先生が赤井くんに向けて言う。


「えー…、んー…」


頭を搔く赤井くん。


「すみません、ウソです。」


律儀に頭を下げる。


あまりの潔さにクラスから笑いが。


「センセー、無理っすよ…古典、知らないし…」


赤井くんがヘナヘナと机に倒れた。


「あ、さっきの冗談だから、2番からは名前だけでよし!」


「え、オレだけ?マジかぁ〜…」


弱々しい声と共に今度はしゃがみ込む。


また笑い声が教室のあちこちから聞こえる。
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