甘え下手の『大丈夫』
「瑞希は?」

へっ?いきなり話をふられて枝豆をテーブルに落としてしまった。

「私が何?」

「何じゃなくて。瑞希はまだなの?結婚」

隠すなよ~的な真由香の視線を視線を隣から感じながら、私は残っていたビールを一気に流し込んだ。

「ふぅ~、あっ、すみません~、ジンジャーハイボールください!…あっ、筧くんは?なんか頼む?」

同じく空いたグラスを前にした筧くんにメニューを渡す。

「ん…じゃ、また生ビールで…」

筧くんの分も注文し、真由香からの視線に気づいてないふりをしていたのだけれど、

「もう!瑞希?ごまかしたでしょ?ちゃんと話なさいよね」

真由香はまた頬をふくらませている。
『こんなコロコロと表情がかわるところが、森田課長可愛くてしかたないんだろうなぁ』
なんて考えていると、注文したドリンクがとどいた。

とりあえず一口流し込み、気持ちを落ち着かせてから私は答えた。

「別れた」

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