ただ、君の隣にいたいだけ。
この距離が、懐かしい。
「…大体の事情は真白の母さんから聞いた…行けなくて、ごめんな。」
その話を頷くことなく聞く。
「真白は今までで1番傷ついた。すげぇ傷ついた……でもな、同じくらい傷ついた奴も居るんだぞ」
「……いないわ、そんな人」
「いるんだよっ…チャラそうだから遊び人?…違うだろ、先輩だって、他の人だってそうだ。…真白にしたら、ただの遊び相手、暇つぶし相手」
「そうかもしんねぇ…けどな、」
そこで叶ちゃんの言葉が詰まる。
すっかり夜になって部屋は暗い。
おまけに月は厚い雲に覆われている。
視界が見えにくいから?
叶ちゃんの息遣い一つ一つが、緊張する。