ただ、君の隣にいたいだけ。
ファーストキスの時みたいに、こんな簡単に私の初めては奪われるんだ。
覚悟を決めて目を閉じたけど、また入ってくる舌に体が全身で拒否反応。
やっぱやだ!きもい!やめてって思ってるのに声が出ない。
目を開けたその時、先輩が横に吹っ飛んだ。
「こんな所で何してんすか
部活も来ないで、先輩」
「ってぇ…叶斗ってめぇ」
バックで頭を殴ったらしい。
この人、バスケ部の先輩?
力が抜けてスルスルと地面に座る。
叶ちゃんだ…本物だ。
呼びたくても呼べなかったのに。
喧嘩もしたのに、来てくれた。
「付き合ってんだからかいいだろ!」
「俺が許さねぇっすよ」
すごい迫力と地を這うような声。
私でも聞いたことのない。
見たことない怖い顔。
先輩は怯んで逃げてしまった。