ただ、君の隣にいたいだけ。

「立てるか?帰るぞ」



出された手を掴んで立ち上がろうとするけど…



あれ?あれれ〜



「…腰抜かした、おんぶ」



えへ。だって怖かったんだもん。


笑って腕を広げる。



「はぁ?っば…ばっかじゃねぇの…っ!」



あら、またリンゴになっちゃった。



悪態付きながらも、背中を向けて屈んでくれた。



「えへへー久しぶりだね叶ちゃん大好き」




小さい頃はよくおんぶしてもらったっけ。



私はその懐かしさにしばらく浸った。
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