【短編】雨と先輩
「あ、ありがとうございます」
不意にトクンと鳴った胸。
ネクタイの色が青だから3年生だなと思う。
「ネクタイ赤だね。一年?」
「あ、はい」
「あと、さ。ブレザー着たほうがいいよ」
彼の言葉にブラウスを見ると濡れて少し透けていた。
「あ、すいません…」
これはダメだと腰に巻いていたブレザーを外す。
「それも濡れちゃってるね」
彼があたしのブレザーを手に取る。
「え?」
「拭いたほうがいいでしょ」
カバンからもう1枚タオルを出す。
「なんでそんなにタオルあるんですか?」
「部活あるはずだったからね」
またふわっと笑う彼にトクンと胸が高鳴る。
この人の笑顔、すべて持っていかれそうになる。
こんな名前もなにも知らないひとなのにどうして惹かれそうになってるのだろうか。
「ごめんなさい。使う必要のないタオル使ってしまって」
彼に向かって頭を下げる。
不意にトクンと鳴った胸。
ネクタイの色が青だから3年生だなと思う。
「ネクタイ赤だね。一年?」
「あ、はい」
「あと、さ。ブレザー着たほうがいいよ」
彼の言葉にブラウスを見ると濡れて少し透けていた。
「あ、すいません…」
これはダメだと腰に巻いていたブレザーを外す。
「それも濡れちゃってるね」
彼があたしのブレザーを手に取る。
「え?」
「拭いたほうがいいでしょ」
カバンからもう1枚タオルを出す。
「なんでそんなにタオルあるんですか?」
「部活あるはずだったからね」
またふわっと笑う彼にトクンと胸が高鳴る。
この人の笑顔、すべて持っていかれそうになる。
こんな名前もなにも知らないひとなのにどうして惹かれそうになってるのだろうか。
「ごめんなさい。使う必要のないタオル使ってしまって」
彼に向かって頭を下げる。