散歩道
『いや。別に考えたことないし』

『はっ?友達になりたいとか付き合いたいとか。ないわけ?あんたには』

『えっ…うん』

『変!!お前、変』
大輔がなかなかの大きな声で言った。


あーあ。
荒井とばっちり目合っちゃったよ。
大輔のバカ。


『おい!!』

ほらきた。

『さっきから何話してんだ。授業くらいしっかり聞けよ』


荒井は声がでかい。
教室中に響くように声が聞こえる。
クラス全員の目がこっちに向けられる。
恥ずかしいような、むかつくような。


『すいません』
とりあえず謝って、荒井を落ち着かせた。

だからって話をやめる気なんてないんだけど。


『しっかり聞けよ。特に高橋』

『えっ!?俺??なぜにピンポイント?!』

『国語悪いだろ。お前は』

『はは〜先生ひど〜い♪』


大輔がふざけると、クラス全員が笑った。
それで荒井は機嫌がよくなったのか、授業を再開した。



『大輔、静かにしゃべってよね』

『えっ。奈美までがピンポイントで俺に言う?!』

『たしかに今のは大輔のせいだよね〜』

『ひどっ。麻里まで』



そんなふざけた感じで、私たちは話を再開した。
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