散歩道

荒井の目を盗んで、私たちは話を続ける。


『でもさ。大輔の言う通り、麻里変だよ。好きなら付き合いたいとか思うでしょ〜』

『だよな。普通思うよな。麻里ちゃん、あなた変よ』

大輔は私たちといるとなぜか、お姉言葉で話す。
くせなのか、わざとなのか。

無理に高い声を出すから、声が大きくなるんだと思うんだけど。


『大輔やっぱうっさい』

『えっ!?今その流れじゃないでしょ〜。真面目な話してんのに』

『だって…』
と言いかけたところでやめた。
これじゃきりがない。
大輔も私も引き下がれない性格だから。


それを知ってる奈美も
『続き話していい？』と呆れて言った。

『はい。どうぞ…』


『麻里はさ。好きなわけ？孝之さんのこと』

『う〜ん。好き』

『じゃあさ、付き合いたいの？』

『ん〜。たくない。』


正直そうゆう好きじゃない。
と付け加えた。


『じゃあ、どうゆう好きだよ？』
大輔が不思議そうに聞いた。

『憧れって言うか。芸能人に対する気持ちみたいなもんかな』

『俺が上戸ちゃんに対する気持ちねぇ…』