散歩道
『ちょっと麻里〜。ご機嫌じゃ〜ん♪』

次の日学校へ行くと、奈美の第一声がこれだった。

『えっ!?そんなことないし♪』

『語尾が高い〜!!』

『ん?そんなことな〜い〜よ♪』

『うざっ!!朝からうざいよ?』

『そう?ごめんね♪』


自分でも、なんとなく分かっている。
今のテンションの高さ…
ありえないってことくらい。

だけど、どうしようもなくうかれてる。
ずっとふわふわした感じで、どきどきしている。



『あっ。せんさん!!』

『うそ!?どこ!?』

奈美の言葉に過剰反応。
なのに、どこを探しても誠也さんはいない。


『はい。うそでした〜。やっぱりせんさんがらみか』

奈美は笑って言った。

また…騙された。
しかも、それに過剰反応してしまった私…


『まぁいいんじゃん?恋は突然訪れるものだから♪』

『もう!!そんなんじゃないんだから』

『ふ〜ん。そっ』

奈美は、全てを見透かしたように言った。

奈美には全てお見通しらしい。






きっと今の私は、あの頃と同じ気持ちになっている…
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