散歩道
『麻里〜お願いだから!!』

『無理無理無理!!絶対やだ』


私は、みなみからバスケ部に入るよう、頼まれていた。


『無理じゃないって。あたしでもやってんだから』

『そりゃ。みなみうまいもん』


みなみは、小学校からバスケをやっている。

まあ。
私もなんだけどさ。

その関係で学校は違ったけど、小さい頃からお互いを知っていた。


『1年あたし一人なの〜。お願いだから〜!!』

『だってあたし高校では、バスケやらないって決めたもん』


そう言ってその場から逃げようとすると、みなみは私の前に立ちはだかった。


『そんなん関係なし。あたしが許してないもんね』


なぜか得意げに言う、みなみ。


え〜。
あなたの許可が必要なんですか?


『それに…』

『先輩たちも優しいし、見学だけでも来てみてよ』


私の言葉を遮って、必死に頼むみなみ。

『う〜ん』


バスケが嫌いってわけではない私は、少し考えてしまった。


『ほら麻里。バスケがしたくなってきたでしょ〜!?』

それに付け込むように、みなみは私を勧誘する。


『あー。もう!!考えるだけ考えとくから』

みなみに言われて、たしかにまたバスケがしたいかもなんて思ってしまった。



『まじ?やった♪』


みなみは、跳びはねて喜んだ。




あーぁ。
こりゃもう。断れないな。
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