妹の恋人[完]
妹。
俺には、7つ離れた妹がいる。

小学1年生の時に生まれた、小さな小さな天使。

俺の、恋人。

おむつだって変えたし、ミルクだってあげた。

仕事で忙しい父さんよりも、ずっとずっとなんだって一緒で、何でも知っているんだ。

小さいけど、大きな病気もせずにすくすくと育ったカナコ。

1歳半を過ぎても、なかなか歩かないカナコを、母さんはすごく心配していた。

でも、俺は心配なんてしていなかったんだ。

だってカナコは、誰も見ていないところでこそっとソファにつかまって立ちあがり、手を離したりして練習していたんだから。

こんなに小さくても、毎日少しずつ手を離して立っていられる時間が長くなり、ある日母さんの前で一歩をふみだした。
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