妹の恋人[完]
「プレゼントねぇ」
いつもの道を、いつものように自転車で駆け抜けていく。
朝早いけど日差しはちゃんと夏に近づいていて、風を受けて走っているはずなのに汗がにじんでくる。
特に欲しい物なんてない俺。昔からそういったものに対する欲があまりなくて、いつも親を困らせていたっけ。
「参考書、とか言ったらカナコ怒るよなー」
腰に手を当ててぷりぷり怒るカナコを想像して、ひとり笑ってしまう。
そういうときのカナコは「もー!おにいちゃん!」って俺に向って怒るんだ。
最近そういう言葉使いやしぐさが、母さんに似てきたんじゃないか、と父さんと話をしたことを思い出した。
そんな風にカナコのことを考えていたらあっという間に学校で。
いつものように体育館へ着く前にワタルに会い、一緒に部活の練習に励む。
ワタルと片付けをしながら今朝のカナコとのやり取りを話すと、ワタルは声をあげて笑いだす。
「そんなにおかしいか?」
ボールを片付ける手を止めて、おなかを抱えて笑っているワタルに、少し腹を立てながらため息をつく。
そんなに笑わなくても。
「いや、なんていうかさ、妹っていうよりも恋人みたいだな」
年の離れた妹もいいなー可愛くて!そんなワタルの言葉になんだか複雑な気持ちになる。
いつもの道を、いつものように自転車で駆け抜けていく。
朝早いけど日差しはちゃんと夏に近づいていて、風を受けて走っているはずなのに汗がにじんでくる。
特に欲しい物なんてない俺。昔からそういったものに対する欲があまりなくて、いつも親を困らせていたっけ。
「参考書、とか言ったらカナコ怒るよなー」
腰に手を当ててぷりぷり怒るカナコを想像して、ひとり笑ってしまう。
そういうときのカナコは「もー!おにいちゃん!」って俺に向って怒るんだ。
最近そういう言葉使いやしぐさが、母さんに似てきたんじゃないか、と父さんと話をしたことを思い出した。
そんな風にカナコのことを考えていたらあっという間に学校で。
いつものように体育館へ着く前にワタルに会い、一緒に部活の練習に励む。
ワタルと片付けをしながら今朝のカナコとのやり取りを話すと、ワタルは声をあげて笑いだす。
「そんなにおかしいか?」
ボールを片付ける手を止めて、おなかを抱えて笑っているワタルに、少し腹を立てながらため息をつく。
そんなに笑わなくても。
「いや、なんていうかさ、妹っていうよりも恋人みたいだな」
年の離れた妹もいいなー可愛くて!そんなワタルの言葉になんだか複雑な気持ちになる。