妹の恋人[完]
「恋人って・・・何言ってるんだか」

実の妹が恋人にはならないし、そんなつもりはない。

妹として可愛いとは思うけど、高橋さんに対する気持ちとはまた違うし。

っていうか、カナコはまだ小学校3年生なんだ。

「でも、コウヘイから聞くカナコちゃんのイメージは、コウヘイの好きなタイプなんだろうなって思うよ」

ワタルに、そんなに沢山カナコのことを話したわけじゃない。

昔からカナコの話をすると、似たようなことを言われてきた。もっと、嫌な言い方で。

俺は純粋に小さなカナコがかわいくて、大切だと思っているだけなのに、大丈夫?とか気持ち悪いとか。

兄妹なんだから、かわいがるのは当然だと思うし、誰に何を言われようとカナコは俺にとってとっても大切な妹なんだ。

「まあ、コウヘイにはサトミがいるから、カナコちゃんは俺に紹介してよ」

「え???」

「そんなに可愛い妹なんだろ?何年生なの?」

そういえば、カナコの年齢を話したことなかったっけ?いったい何歳くらいのイメージを持っているんだろう?

「・・・3年生」

ちょっと意地悪してみた。

「へ~、今年受験じゃん」
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