妹の恋人[完]
普通、妹って言うとやっぱ年が違いイメージなんだろうか。

俺にはカナコしか妹はいないし、生まれたばかりの妹はとにかくかわいくて小さくて、俺が守ってやらなきゃって思ったのを今でもはっきりと覚えている。

母さんでも父さんでもなく、俺が守るんだって。俺だけのカナコだって。

今でもそう思っているし、カナコには俺がいないとだめなんだって信じている。

毎日家を出る前にくっついてくるのも、帰宅したときに玄関まで迎えに来てくれるのも、俺のカナコだから。

あんなに可愛いカナコ。

小さいからかわいいと思うだけなんだろうか?妹だから?

彼女の高橋さんに感じるかわいいとは確かに違うような気もするけど、どう違うんだろうか。

授業中もなんとなくそのことが頭から離れなくて集中できずにいた。

試験も終わって、皆も気が抜けているのか授業もだらだらと進み、それでも考え事をしていた俺にはあっという間に終わってしまって。

なんとかノートだけは取っていたものの、あまり頭に入っていなかった。

「コウヘイ、入口に彼女待ってるけど」
< 105 / 587 >

この作品をシェア

pagetop