妹の恋人[完]
「一緒にいたいと思うし、触れていたいと思う」

自分で言いながら顔を赤くする高橋さん。

ああ、そうか。

そっと高橋さんの手を握り、幸せを感じる。好きってこういうことなのかも。

「俺も、サトミと一緒にいたいし、触れていたい」

人影がないのをそっと確認すると、高橋さんの唇に触れるだけのキスをした。

・・・俺の、ファーストキス。

なんだかお互いに恥ずかしくて、目を合わせられないまま手をつないでいた。

お昼休みが終わる前に教室へ戻り、夜電話するねと別れる。

午後からの授業は午前のそれとはちがい、すんなり頭に入ってきて集中することができた。

授業が終わり、部活もこなし家路を急ぐ。

いつもよりもスピードを上げて自転車をこぐ。

なんだか早くカナコに会いたくて、首にかけたタオルで汗を拭きながらまっすぐ続く道を進んでいた。

キキーッ

突然ブレーキ音が響き渡ったかと思うと、どんっという音とともに自分が道路に投げ出されたのがわかった。

「大丈夫ですか!?」
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