妹の恋人[完]
「おにーちゃん、いたいよー」

カナコ、カナコ、俺だけのカナコ。

「コウヘイ!食事中でしょ!」

そんな俺にあきれた母さんが、俺の頭をガツンと叩いた。

「いってー」

カナコを開放して、叩かれた頭をさすっていると、だいじょうぶ?とカナコも一緒に頭をなでてくれた。

食後はお勉強タイム。

最近平仮名に興味を持ってきたカナコに文字を教えながら、俺は自分の勉強。

宿題は今日は大野君の家で済ませてきたから、明日の予習なんてしたり。

5年生になってからクラス委員長を務めるようになた俺。

勉強だってそこそこできるし、バスケットだってがんばっているんだ。

「おにーちゃん、カナコの な がかけないよー」

白いノートに、大きな字で か と書いてある。なかなか上手!

「こうやって書くんだよ」

大きめに見本の字を書いてみせる。

カナコに教えるために、夜寝る前にこっそり時の練習をしている俺。

だって、汚い字でカナコが文字を覚えたら大変だ!

カナコのためなら、どんなことだってがんばれるんだ。
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