妹の恋人[完]

そんな毎日もあっという間に過ぎて、俺は中学に入学した。

カナコは幼稚園の年長さん。

かわいくて、幼稚園でも人気があるようだ。

中学生になった俺は、小学校では前の方だった身長も、ぐんとのびて、1年間でかなり後ろの方へと移動していた。

小学校の時から続けているバスケットは変わらず続けていて、大野君も一緒だ。

ときどき女の子に呼び出されて告白されることもあったけど、相変わらずカナコにしか興味のない俺は、毎回どうやって断ったらいいのか、呼び出されるたびに悩んで大野君に相談していた。

大野君は、中学に入ってから新しくできた彼女ととても順調で、クラスの皆からも憧れのカップルだなんて言われているほど。

「コウヘイさ、どうして彼女つくんないの？」

部活が終わって、帰り仕度をしていた時に大野君に聞かれた。

「ん～、好きな子とか居ないし」

中学にもなると、さすがに俺でも彼氏彼女の意味もわかってきたし、付き合うっていうことがどういうことなのか、大野君たちを見ているからなんとなく想像はできた。

「もてるんだから、彼女作ればいいのにー」

楽しいよ～！と大野君は進めてくれるけど、好きな子じゃないと楽しくないんじゃないの？といつも思う。

俺は学校帰りに彼女とすごすんじゃなくて、早く帰ってカナコと一緒にいたいんだ。