妹の恋人[完]
それを大野君に伝えると、相変わらずだなーと笑ってくれた。

この話を大野君以外の人にしたことがあるけど、やはりおかしいだの気持ち悪いと言われてしまった。

それ以来、俺はカナコのことをあまり人に話さなくなっていた。

大好きなカナコを変な風に言われるのがいやだった。

「ただいまー!」

部活から急いで帰宅すると、ちょうど夕飯の時間だった。

食器を並べるお手伝いをしていたカナコは、あわてて玄関まで迎えに来てくれる。

「おにいちゃん!おかえり!」

部屋に着替えに行く俺にくっついて、今日幼稚園であったことなどを楽しく話してくれるカナコ。

最近は食事の始まる前から、こうしてよく話をしてくれて、沢山の俺の知らないカナコを知ることができて俺も楽しかった。

中学に入ってからというもの、日に日に帰る時間も遅くなって、毎日があっという間に過ぎて行った。

カナコも幼稚園最後の1年間をとても満喫していて、同じ幼稚園のお友達と毎日真っ暗になるまで遊びまわっていた。
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