妹の恋人[完]
中学2年になって、カナコが小学校へ入学した。

ピンクのランドセルを背負って、自慢げに俺に見せてくれるカナコ。

小さな体に大きなランドセル。

教科書をいっぱい詰めてとっても重そうだ。

「カナコね、いーっぱい勉強しておにいちゃんみたいになるの!」

がんばるんだよ!と笑うカナコ。

「カナコは頑張り屋さんだから、大丈夫だよ」



夏休みも近くなったある日、部活から帰ってきた俺を待ってました!とばかりにカナコが飛びついてきた。

「あのね、あのね、きょうね、パパからでんわがあってね!」

興奮気味に話すカナコ。

俺が中学に入学したと同時に、単身赴任を始めた父さん。

車で2時間ほどの距離だけど、忙しくて月に2回ほどしか自宅へは帰ってこない。

「夏休みに長くお休みが取れたから、皆で旅行へ行こうって話になって」

カレンダーを指して日程を教えてくれる母さん。

もうすぐ夏休みで、夏休み中の日程表を今日もらったばかりだった。

「あー、ちょっとプリント持ってくるわ」

食事の途中だったけど、急いで部屋へ戻り、鞄の中からプリントを取り出す。

「えーっと、部活部活・・・」

学校の日程と部活の日程で2枚あるプリントを見比べると、父さんの休みの日と部活の合宿が2日だぶっていた。

「えーーー、、、」
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