妹の恋人[完]
テスト期間中は高橋さんに会うこともなく、学校と家の往復で。

家でも自分の部屋でずっと勉強していたほど。

受験の時も自分ではかなり頑張ったと思うけど、今よりも余裕があったかもと思うほどで。

ずっと部屋にこもっている俺を心配して、母さんが夜食を持ってきてくれたり。

カナコも家で騒がずに、静かに見守っていてくれたようだった。

無事に試験も終わり、結果も悪くない感じだったけど、自分が思う程は点数も取れなくて。

志望校のランクではぎりぎりか少し危ないかといったところ。

ああ、やはり自分では限界なのかも・・・。

成績表を見ながら、少し落ち込んだりして。

母さんに相談して、4月から塾へ通うことも検討し始めた。

試験ですっかり忘れていたけど、世間はバレンタイン。

朝、いつものように高橋さんとバス停でバスが来るのを待っていたら、恥ずかしそうにチョコレートをくれた。

手造りではなかったけど、可愛らしく放送された小さな箱。

今すぐに開けたかったけど、バスがやってきてしまったので、大切に鞄の中にしまった。
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