妹の恋人[完]
俺へのチョコレートと手紙を持っていた彼女が、今にもこぼれおちそうな涙を浮かべた目で俺に頭を下げた。
そんな彼女に対して何を言えばいいのかわからなくて。
そのまま自分の席へ戻ると、相沢がこそっと「お前かっこいいな」なんて耳打ちしてきたけど。
なんだか嬉しくないというか、なんというか。
その日の午前中の授業は、もやもやした気持ちのまま集中もできずに終わってしまった。
帰りに下駄箱で高橋さんと待ち合わせをしていたので、急いで靴を履き替えようと自分の下駄箱を開けたら、なんとそこにはチョコらしき箱が3つ。
びっくりして、あける場所を間違えたかと名前を確認してしまった。
間違えてなくて、もちろんそこは俺の場所で。
中に入っている靴も、今朝はいてきた俺の靴で。
あああ、もう。直接渡せない誰かが入れてくれたんだ。
受け取る気がなくても、これでは断れないし、ゴミ箱に捨てることもできなくて。
どうしようかと固まっていたら、高橋さんが来ていることにも気がつかなくて、下駄箱の中身をのぞかれてしまった。
「うわ、食べ物を下駄箱に入れるのって、ちょっと・・・」
思っていることが思わず口に出てしまったといった感じで、あわてて口元に手を当ててしまった、という顔をしている高橋さん。
「うん、まあ、確かに」
言われてみれば、おそらく中身はチョコレートであろうその箱は、俺の靴の上に乗っていて。
そんな彼女に対して何を言えばいいのかわからなくて。
そのまま自分の席へ戻ると、相沢がこそっと「お前かっこいいな」なんて耳打ちしてきたけど。
なんだか嬉しくないというか、なんというか。
その日の午前中の授業は、もやもやした気持ちのまま集中もできずに終わってしまった。
帰りに下駄箱で高橋さんと待ち合わせをしていたので、急いで靴を履き替えようと自分の下駄箱を開けたら、なんとそこにはチョコらしき箱が3つ。
びっくりして、あける場所を間違えたかと名前を確認してしまった。
間違えてなくて、もちろんそこは俺の場所で。
中に入っている靴も、今朝はいてきた俺の靴で。
あああ、もう。直接渡せない誰かが入れてくれたんだ。
受け取る気がなくても、これでは断れないし、ゴミ箱に捨てることもできなくて。
どうしようかと固まっていたら、高橋さんが来ていることにも気がつかなくて、下駄箱の中身をのぞかれてしまった。
「うわ、食べ物を下駄箱に入れるのって、ちょっと・・・」
思っていることが思わず口に出てしまったといった感じで、あわてて口元に手を当ててしまった、という顔をしている高橋さん。
「うん、まあ、確かに」
言われてみれば、おそらく中身はチョコレートであろうその箱は、俺の靴の上に乗っていて。