妹の恋人[完]
母さんにプリントを見せると、とても残念そうな顔をしていたけど、後で父さんに確認してくれるらしい。

「レギュラーだから、合宿は休めないし・・・」

2年生になって、さらに身長が伸びた俺。

大野君よりも低かった身長も、2年生の夏休み前には逆転していた。

バスケットも頑張っていて、引退前の3年生がいるにも関わらず、大野君と二人でレギュラーの座を獲得していた。

とにかく、毎日が充実していて楽しかったんだ。

部活は休めない。でも、カナコと一緒に旅行へ行きたい!

またこんな話をすると、中学になって家族旅行なんて!って笑われるんだろうか?

そんなことを思いながら、いっしょにいけるといいねー!と言うカナコの頭をなでた。

旅行は、父さんが日程をずらしてくれたおかげで一緒に行くことができた。

父さんの運転する車で、3時間ほどのところにある温泉街。

海水浴もできて、水族館もあった。

「おにいちゃん!海行こうよ!」

はやく!と水着に浮き輪で準備万端のカナコ。

俺も水着に着替えて、ホテルの目の前にあるビーチへと向かった。

「カナコ、危ないから一人で海に入っちゃだめよ!お兄ちゃんと一緒にいてね!」

日傘をさしながら、木陰で見守っている母さん。

父さんはその横でビール片手に笑っていた。

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