妹の恋人[完]
学校でもらった、差出人不明のチョコレートは包みを開けてもやはり名前はなくて。

俺がもらってくるチョコレートを期待していたカナコに、あっさりとられてしまった。

俺は、朝カナコからもらったチョコレートと、高橋さんからもらったチョコレートを夕飯の後に部屋で一口だけ食べた。

甘くて、やさしい味のチョコレート。

寝る前に高橋さんと少しだけ電話して。

宿題以外の勉強はせずに、少し早目にベッドに入った。

翌日、朝早くから隣のハナちゃんがやってきて、出遅れた!と大きなチョコレートをプレゼントされた。

今年こそは好きな子にあげたかったけど、チョコレートをあげたいと思える子が今はいないらしい。

俺へのチョコレートは昨日渡すはずが、俺の帰りが遅かったのもあって今日になってしまったんだという。

「どうしてもね、コウヘイ君に直接渡したかったの!サトミさんと食べてね!」

どうやらチョコレートが大きいのは、俺と高橋さん二人へという意味だったらしく。

「ハナちゃん、ありがとう。一緒に食べさせてもらうよ」

朝から元気に家へ戻って行ったハナちゃん。

早く、好きな子ができるといいね。
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