妹の恋人[完]
いつものように同じバスで学校へ向かい、ハナちゃんからチョコレートをもらったことを伝えた。

「じゃあ、お昼休みに一緒に食べましょうか」

鞄に忍ばせてきた大きめのチョコレートを、お昼休みに二人で食べることにした。

お昼休みに教室まで呼びに来てくれた高橋さんと、同じ階にある空き教室で一緒にお弁当を食べることにした。

この空き教室はお昼休みに先生がカギを開けてくれるようで、いつも数名が利用している。

比較的いつもすいているのと、いつも同じグループしか利用していないので落ち着いて食事をすることができた。

いつものように窓際に座り、二人でお弁当を食べ、ハナちゃんからもらったチョコレートを食べる。

ハートの形をした一口サイズのチョコレート。

中につぶつぶのナッツが入っていて、食べやすいものだった。

「甘いね」

チョコレートだから当たり前なんだけど。

自販機で買ったブラックコーヒーを飲みながら食べるにはちょうどいい甘さなのかも。

「昨日の下駄箱のチョコ・・・」

言いにくそうに、でもどうしても聞きたくてと俯きながらつぶやいた高橋さん。

「ああ、あれね、全部名前とか書いてなくて。あっという間にカナコに持って行かれたよ」
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