妹の恋人[完]
3学期もあっという間に終わり、いろんなことがあった1年生が終わってしまった。

春休みの講習会から塾に入った俺は、相変わらず毎日高橋さんと一緒に通っていて。

学校とは逆方向だったけど、いつものようにバス停で待ち合わせて塾へ向かう。

マフラーや手袋も要らないくらい暖かくなってきて、繋ぐ手もなんだか嬉しい。

ほぼ毎日塾で過ごしていた春休みも、あっという間に終わってしまい。

春休みは宿題がないから好き!と浮かれて過ごしていたカナコも小学4年生になった。

もちろん、俺も2年生に進学し、登校してすぐにクラス発表の掲示板を高橋さんと確認した。

2年生からは成績でクラスが決まる。

でもそれは8クラスあるうちのAからCまでの3クラスのみで、残りのクラスは選択科目によって決まっていた。

俺や高橋さんは大学進学を希望していて、3クラスに入ることを目指して勉強をしていたわけで。

掲示板の前で、俺はすぐに自分の名前がA組にあるのを確認することができた。

名簿順で書かれているので、浅野という名前はたいてい一番に書いてあって。

自分の名前を確認してから高橋さんの名前をA組の名簿から捜すと、ちゃんとそこに載っていてホッとした。

俺よりも成績の良い高橋さんだからA組に入るのは当然と言えば当然で。

きっと俺はぎりぎりA組に入れたんだと思う。

それでも入れたことがうれしくて、隣でうれしそうにしている高橋さんと「よかったね」と笑いあうことができた。

< 172 / 587 >

この作品をシェア

pagetop