妹の恋人[完]
「ごめん、カナコ。許して?」

後ろからカナコについて歩くけど、唇を尖らせたまま機嫌を直してくれないカナコ。

こうやって恋をして、もっときれいになれ、カナコ。

でも、どんな相手でも許すなんてことは俺にはできそうにないけど。

「もうおにいちゃんに話ししないから」

頭に乗せてなでていた手を振り払われてしまった。

これは本当に怒らせてしまったぞ。

どうしたら機嫌が直るのか、必死に考えて売店でアイスを買うことを提案してみる。

するとぴたっと歩く足を止めて、怒った顔のまま俺を振り返ったカナコ。

「・・・ヨーグルトアイスがいい」

また微妙な選択で!

旅館の売店にあるかわからないけど、とりあえず売店へ向かい、アイス売場へ。

カップに入ったヨーグルトアイスを手にして、ご満悦なカナコ。

よかった、まだまだかわいいままのカナコだ。
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