妹の恋人[完]
そんな俺を母さんは心配そうにしていたけど、休みの日は勉強をしないでカナコと過ごしたりする時間も大切にしていたし、時々だけど高橋さんと映画へ出かけたりもしていた。

夏休みも終わりに近づいたころ、ハナちゃんの提案で高橋さんとカナコと4人でプールへ行くことになって。

1年前にけがをしてから初めてのプールだったけど、とにかく楽しくて1日で真っ黒に日焼けしてしまった。

「コウヘイ君は日焼けしていた方が素敵」

なんて高橋さんに言われて、恥ずかしいけどうれしくて。

それ以来、朝早く起きて毎日近所を走るようになった。

足の痛みもないし、徐々に体力をつける意味でも気持ち良くて。

早く起きれた日にはカナコも一緒に走ったりして。

4年生になってぐんと背が伸びてきたカナコは、スイミングの成績も良くて、県大会の選手に選ばれて4位に入賞。

残念ながら全国大会に行けるのは上位3位までで、その切符は逃したけど、初めての出場で4位は大健闘ではないのだろうか。

そんなわけで、毎日学校とスイミングでプール三昧の日々らしく。

勉強ばかりであまり日に焼けていなかった俺とは違い、真っ黒に日焼けした肌がまぶしかった。

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