妹の恋人[完]
夏休みも終わり、また勉強の日々が始まった。

秋にが学校祭があったけど、進学校だからなのか受験勉強メインの3年生はあまり盛り上がらず、それでも規模は小さいにせよ模擬店や演劇などをやってそれなりに楽しんだ。

学期末試験を間近に控え、塾で過ごす時間も長くなっていた頃。

珍しく遅くまで起きていたカナコがいるキッチンで、ひとり遅い夕飯を食べていた。

「まだ寝なくても大丈夫なのか?」

11時を過ぎても本を読みながら俺の前にいるカナコ。

「うん、あと少しで読み終わるの」

今小学生に人気のある小説とかで、なんだかどっぷりはまっているようだ。

「これね、井上君に借りたんだ」

井上?また聞いたことのない名前に首をかしげながらも、明日返す予定だから読み切るんだというカナコ。

俺が食事が終わるのと同時くらいに読み終わったようで、本を閉じてふーっと伸びをした。

「面白かった!」

恋愛ものらしく、最後はハッピーエンドで終わって満足した様子だ。
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