妹の恋人[完]
シャワーを浴びて湯船につかり、今日も頑張ったなぁなんて自分をねぎらってみたりして。

この試験が終わればあとは冬休みだけ。

町はすっかりクリスマス一色になっていたけど、勉強三昧な俺にはそんな余裕もなくて。

それでも、今年もまた家でクリスマスパーティーを企画しているというカナコが、しきりに高橋さんの都合を聞いてほしい、と言われていたのを今頃思い出してしまった。

「あー。後で電話で確認しなきゃ」

あんなに毎日会っているのに、聞くのをすっかり忘れていた。

お風呂からあがり、水を飲もうとキッチンへ行くと帰宅した父さんが夕飯を食べていて。

「あ、お帰り~」

冷蔵庫から取り出した水をコップに注ぎ、一気に飲み干す。

「今日も遅かったんだな?」

俺よりも遅く帰ってきた父さんに、そんなことを言われちゃって。

もともと忙しい父さんは年末に向けてますます忙しくなっているようで。

「もうすぐ試験だから、終わったら落ち着くよ」

それじゃ、お休みと自分の部屋へと戻り、時計を確認すると12時を過ぎていて。
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