妹の恋人[完]
俺も今、教員を目指そうという気持ちが強くなってきていて。

得意な数学はそれなりに点数が取れているので、このまま頑張りたい。

時間を見つけては時々カナコの宿題をみているけど、やはり人に教えるというのはとてもやりがいのあることに思えて。

相手が理解してくれた時の達成感はとても気持ちがいい。

テレビを見たりしていてあっという間に夕方になって。

外が暗くなってきたので、とりあえずリビングを片付けることにした。

カナコとハナちゃんは相変わらず部屋から戻ってくる気配もなくて。

キッチンで飲んでいる母さん達は、なんだかすごく盛り上がっていた。

リビングのテーブルに出してあった残骸を簡単にまとめてキッチンへ持っていく。

「流しに置いておいてね、後で洗うから」

俺と高橋さんが運んだ食器をみて、母さんが言ってくれたけど。

あれはきっと父さんが帰る時間になるまで動かないな。

一通りリビングがきれいになったので、キッチンで洗い物をすることにした。

「ソファでテレビでも見ていてよ」

腕をまくり洗い物を始めた俺の横に立った高橋さんは、付近を片手に手伝うね、と笑ってくれた。
< 192 / 587 >

この作品をシェア

pagetop