妹の恋人[完]
母さんは大喜びで、仕事中の父さんに電話で報告したほど。

おれもうれしかったけど、でもそれは当り前のことで。

いつもいつもがんばっていたカナコだから歩けたんだ。

小さくても、言葉がしゃべれなくても、ちゃんとひとりで歩けたんだ。

そんなカナコがかわいくて、とにかくかわいくて。

俺は毎日学校が終わると走って帰ってきた。

急いで帰宅しては、カナコと遊ぶ毎日。

そんな俺に母さんは「たまにはお友達と遊んできていいのよ」と心配してくれたけど。

友達とは学校で毎日遊んでいるし、何より学校へ行っている間カナコに会えないんだから、終わったらずっと一緒にいたいんだ。
< 2 / 587 >

この作品をシェア

pagetop