妹の恋人[完]
映画の内容は、思っていたよりも面白くて。

真剣になってしまい、買ったドリンクは氷がすっかり溶けてしまっていた。

「面白かったね!」

映画館をでると、外はほんのり夕焼けで。

そんなに長い時間映画館にいたのかとちょっと驚いた。

「うん、なかなか気持ちの良いストーリー展開だったね」

飽きるところのない展開に、ずっと引き込まれたままだった俺。

それは、高橋さんも同じだったようで。

カフェでコーヒーを飲みながら、映画の感想などをお互いに話していると、遠くから誰かが高橋さんの名前を呼ぶ声がして。

「サトミちゃん!」

ふと振り返ると、違う制服を着た男の子が俺たちの方へ走ってくる姿が見えた。
< 206 / 587 >

この作品をシェア

pagetop