妹の恋人[完]
「んー、そうかな?」

タクミが高橋さんを好きかどうか。俺が見ても、好意を持っているのは明らかで。

二人の関係をきちんと確かめなかったことが、カナコ的にはだめだったらしい。

「もう、おにいちゃん、いつかサトミさんに捨てられるよ!」

最近急に大人っぽいことをいうようになってきたカナコ。

背も伸びで、幼さもすこしずつなくなってきていて。

「はは。大丈夫だよ」

いつまでも子供だと思っているけど、気がついたらそうでもなくなってきているんだろうか。

「あ、お母さん、ミカンある?」

・・・そうでもないかな?

食後に母さんとテレビを見ながらみかんを食べているカナコを見て、いつまでのそのままでいて欲しいと思う。

「じゃあ、おれ部屋にいるから」
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