妹の恋人[完]
学校の行き帰りと塾の時間は一緒に過ごしている俺たちだけど、それ以外でデートすることもなければお互いの家を行き来することもなくなっていた。

仲が悪くなっているわけではないんだけど、お互いに自分の時間を過ごすのに精いっぱいで。

母さんにも「最近どうなの?」なんて心配されるくらい。

でも、毎日同じバスで学校へ行くし、塾へ行くのも別の予定が入らない限り一緒で。

帰りも高橋さんが他の子と約束しない限りは一緒だったから、とくにこれと言って大きな変化はなくて。

ただ言えるのは、会いたいとか声が聞きたいと思うことが少なくなっていたんだ。

塾では9月に入ってからセンター試験のプレ試験が多くなってきて。

志望校の判定基準も兼ねているので、毎回の試験にドキドキしながら挑んでいて。

学校の試験の成績は上々で、学年順位も15位以内をなんとかキープできていた。

高橋さんは相変わらず一桁前半をキープしていて、同じように勉強しているつもりでもなかなか追いつけないものだなとやけに冷静に考えたりして。

学校と塾と家を行き来するだけであっという間に2学期も終わり、冬休みに突入した。
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